化学繊維は「化学的手段によってつくられた繊維」と定義されています。
木材、石炭、石油、天然ガスなどを原料にした人工的につくりだされた繊維で、再生繊維、半合成繊維、合成繊維に大別されます。
名称 | 特徴 | 図柄 |
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レーヨン | 原料の木材パルブから絹の外観に似せて人工的につくった繊維でレーヨン、ビスコースレーヨンといいます。 フランス語で「光線」という意味。 木材パルプに含まれている繊維質(セルロース)を一度薬品で溶かし、細長い繊維に再生することから、再生繊維と呼ばれています。
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リヨセル(テンセル) | 木材パルプを原料にアミンオキサイド系水溶液を使い製造した再生繊維で「精製セルロース繊維」とも言われています。 テンセルはイギリスのコートルズ社が開発した世界で初めての溶剤紡糸による精製セルロース繊維で、テンセルはコートルズ社の商標名です。 オーストリアでも同じ精製セルロースがあり、これはリヨセル(商標名)となります。 家庭用品品質表示法では、テンセルは新しい精製セルロース繊維のため「指定外繊維」と表示されています。
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ポリノジックとキュプラ | ポリノジックとキュプラは、高度な技術から生まれた、レーヨンと同じ仲間の再生繊維です。 レーヨン同様、美しい光沢感があります。 婦人夏服地、ブラウス、下着、裏地などに多く使われています。
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アクリル | アクリルの主原料はアクリロニトリルという石油から作られる合成繊維です。 合成繊維の中では最も羊毛に似た性質をもっていて、柔らかく、暖かみのある肌触りの繊維です。 セーター、靴下などのニット製品、服地、毛布、ぬいぐるみなどに利用されています。
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ポリエステル | ポリエステルはもともと、麻や綿に似せて開発された、石油を原料とする合成繊維のひとつでした。 製造技術の進化とともに、減量加工されたシルキーライクなポリエステル繊維が生産されるようになり、 今日では、ハイテク技術を応用したマイクロファイバー(超極細繊維)のものが主流となっています。
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ポリウレタン | ポリウレタンは1959年に開発され、日本では1963年から生産されています。 現在製造されているポリウレタン繊維は天然ゴムに似た弾性糸で、スパンデックスと呼ばれ、 ゴムのように6倍以上も伸び伸縮回復力のある繊維で、ポリウレタンの特性をいかした、 シャツ、スラックス、ブラジャーやガードルなどのファンデーション、水着、レオタードなどのスポーツ衣料品、 パンティストッキング、靴下、などに使われています。
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アセテートとトリアセテート | アセテート、トリアセテートは水酸基の74%以上、92%未満がアセチル化されている酢酸セルロースをアセテートと呼び、
水酸基の92%以上がアクチル化されている酢酸セルロースをトリアセテートと呼びます。 アセテートは、シルクに似た光沢と深みのある鮮明な発色が特徴で、弾力性がよく、比重も軽く、ハリ感やドレープにもすぐれています。
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ナイロン | ナイロンは1935年アメリカで開発され、1938年商品化されました。 合成繊維としては最も早く、当時は「石炭と空気と水」から作られたナイロンは 「くもの糸より細く、絹よりも美しく、鋼鉄より強い」といわれていました。 ナイロンはアミド結合によって合成高分子を紡糸して繊維化した” ポリアミド系 ”の合成繊維です。
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