ここでは化学繊維の
説明をします

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化学繊維

化学繊維は「化学的手段によってつくられた繊維」と定義されています。
木材、石炭、石油、天然ガスなどを原料にした人工的につくりだされた繊維で、再生繊維、半合成繊維、合成繊維に大別されます。

種類と特徴

名称 特徴 図柄
レーヨン 原料の木材パルブから絹の外観に似せて人工的につくった繊維でレーヨン、ビスコースレーヨンといいます。
フランス語で「光線」という意味。 木材パルプに含まれている繊維質(セルロース)を一度薬品で溶かし、細長い繊維に再生することから、再生繊維と呼ばれています。
  • 美しい光沢感がある。
  • 着用やクリーニングの繰り返しによって、コシがなくなったり、光沢が減少する。
  • 擦れやすく、毛羽立ちやすい。白っぽく見える。
  • 染色性にすぐれ、色鮮やかに染まる。
  • 繊維が柔らかく、ドレープ性がある。
  • 吸湿性が高く、さらっとした肌ざわり。
  • シワになりやすい。
  • 水分を含むと収縮しやすく、強度も低下する。
  • 水滴や雨によって、水ジミ※になることがある。
レーヨンの断面
木材パルプ
リヨセル(テンセル) 木材パルプを原料にアミンオキサイド系水溶液を使い製造した再生繊維で「精製セルロース繊維」とも言われています。
テンセルはイギリスのコートルズ社が開発した世界で初めての溶剤紡糸による精製セルロース繊維で、テンセルはコートルズ社の商標名です。
オーストリアでも同じ精製セルロースがあり、これはリヨセル(商標名)となります。
家庭用品品質表示法では、テンセルは新しい精製セルロース繊維のため「指定外繊維」と表示されています。
  • ソフトな風合い、美しい光沢感がある。
  • 繊維が柔らかく、ドレープ性がある。
  • 湿潤時でも、強度が低下しない。
  • 吸湿性、速乾性にすぐれている。
  • 水洗い(手洗い)によって若干縮むことがある※1。
  • 濡れると少し硬くなる※2。
  • 摩擦により白化しやすい。とくに、湿潤状態での摩擦は避けること※3。
テンセル・リヨセル
テンセル・リヨセル
ポリノジックとキュプラ ポリノジックとキュプラは、高度な技術から生まれた、レーヨンと同じ仲間の再生繊維です。
レーヨン同様、美しい光沢感があります。
婦人夏服地、ブラウス、下着、裏地などに多く使われています。
  • 染色性にすぐれ、色鮮やかに染まる。
  • 繊維が柔らかく、ドレープ性がある。
  • 吸湿性が高く、サラっとした肌ざわり。
  • シワになりやすい。
  • 水滴や雨によって、水ジミになることがある。
  • 着用やクリーニングの繰り返しによって、コシがなくなったり、光沢が減少する。
ポリノジック断面
キュプラの構造
アクリル アクリルの主原料はアクリロニトリルという石油から作られる合成繊維です。
合成繊維の中では最も羊毛に似た性質をもっていて、柔らかく、暖かみのある肌触りの繊維です。
セーター、靴下などのニット製品、服地、毛布、ぬいぐるみなどに利用されています。
  • アクリルは、石油を原料とする合成繊維で、ウールに似た性質の短繊維(ステープル)と、シルクに似た長繊維(フィラメント)とがあります。
  • 染色性にすぐれ、色鮮やかに染まる。さらに、色落ちの心配もほとんどない。
  • 薬品に強く、カビや虫害を受けにくいため、保管が容易。
  • バルキー性があるため、保温性が良く、ふっくらと温かい。
  • 毛やポリエステルより軽く、弾力性があるため、シワになりにくい。
  • ピリング(毛玉)、静電気が起きやすい。
アクリル
ポリエステル ポリエステルはもともと、麻や綿に似せて開発された、石油を原料とする合成繊維のひとつでした。
製造技術の進化とともに、減量加工されたシルキーライクなポリエステル繊維が生産されるようになり、 今日では、ハイテク技術を応用したマイクロファイバー(超極細繊維)のものが主流となっています。
  • 吸湿性が低く、すぐ乾き、水による収縮がない。
  • 弾力回復率が高く、シワや型くずれの心配がない。
  • 薬品に強く、カビや虫害を受けにくいため、保管が容易。
  • 熱可塑性※1により、プリーツの保持力が高い。
  • 静電気が起きやすい。
ポリエステルの側面
異形ポリエステル
ポリウレタン ポリウレタンは1959年に開発され、日本では1963年から生産されています。
現在製造されているポリウレタン繊維は天然ゴムに似た弾性糸で、スパンデックスと呼ばれ、 ゴムのように6倍以上も伸び伸縮回復力のある繊維で、ポリウレタンの特性をいかした、 シャツ、スラックス、ブラジャーやガードルなどのファンデーション、水着、レオタードなどのスポーツ衣料品、 パンティストッキング、靴下、などに使われています。
  • 染色性が弱く、熱や薬品、紫外線による変退色がおこるなどの欠点がある。
  • 空気中の水分で加水分解を起こし、弾力性の低下や老化により糸が表に飛び出すことがよくある。
  • ポリウレタン繊維の寿命は、着用に関わらず製造時から3年といわれている。
ポリウレタンの断面
アセテートとトリアセテート アセテート、トリアセテートは水酸基の74%以上、92%未満がアセチル化されている酢酸セルロースをアセテートと呼び、 水酸基の92%以上がアクチル化されている酢酸セルロースをトリアセテートと呼びます。
アセテートは、シルクに似た光沢と深みのある鮮明な発色が特徴で、弾力性がよく、比重も軽く、ハリ感やドレープにもすぐれています。
  • 絹のような美しく上品な光沢感がある。
  • 毛と同じようなふっくらとした風合いと豊かな感触が魅力。
  • 適度な吸湿性、保温性、弾力性がある。
  • 美しいドレープとシルエットが表現できる。
  • 熱可塑性※1が高く、プリーツセットができる。
  • 引っ張り強度はレーヨンより弱く、摩擦にも弱い
アゼテート
トリアセテート
ナイロン ナイロンは1935年アメリカで開発され、1938年商品化されました。
合成繊維としては最も早く、当時は「石炭と空気と水」から作られたナイロンは 「くもの糸より細く、絹よりも美しく、鋼鉄より強い」といわれていました。
ナイロンはアミド結合によって合成高分子を紡糸して繊維化した” ポリアミド系 ”の合成繊維です。
  • きわめて強く、水に濡れても強度が低下しない。
  • 軽く弾力性があり、シワになりにくい。
  • カビや虫害を受けにくく、保管が容易。
  • 吸湿・吸水性が小さく、短時間で乾燥する。
  • 熱可塑性※1があり、プリーツセットができる。
  • 静電気が起きやすい。
ナイロン(円形断面図)
ナイロン(異形断面図)

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